髪と毛

毛の構造

皮膚よりも出ている部分の毛のことを【毛幹】、皮膚の中にある見えない部分を【毛根】、毛根の最下部分は球状に膨れているので【毛球】と呼ばれています。

毛球のくぼんだ所を【毛乳頭】と呼ばれ、ここは血管や神経が集まっているところです。この毛乳頭は毛の発生や成長の源となるところで、毛細血管が運んでくる栄養分を取り込んで隣接する毛球内部にある【毛母細胞】に送ります。毛母細胞では活発な細胞分裂が繰り返されていて次々に細胞を押し上げ、これが毛の成長となっています。この毛乳頭を破壊しない限りは、毛を抜いても再び生えてくるそうです。

この毛が皮膚から出てくるところを【毛孔(毛穴)】と呼び、【アポクリン腺】と【皮脂腺】からの分泌物が排出されています。

アポクリン腺は腋毛や陰毛など限られた部位の毛のみに付属しており、少し粘液質の汗を分泌します。ワキガのにおいの主な原因となるものです。

皮脂腺はすべての毛に付属しており、皮膚表面に皮脂を分泌させます。この皮脂は水分とともに薄い膜をつくり乾燥を防いで皮膚を滑らかな状態に保ってくれる働きをしています。

毛の構造

毛幹の構造

私たちが【】と呼んでいる部分は皮膚よりも出ている毛幹部分です。毛幹部分は、ケラチンという死んだタンパク質細胞からできています。毛母細胞での活発な細胞分裂の結果に出来た角質化したものです。

毛幹は【毛髄質(メデュラ)】【毛皮質(コルテックス)】【毛表皮(キューティクル)】の3つの層から構成されていてます。


毛髄質(もうずいしつ)・メデュラ

毛幹の中心部にある毛髄質(メデュラ)は、蜂の巣状の多角形細胞で多くの空気を含んでいます。

一般的に毛の太さはこの毛髄質の量で決まるようです。うぶ毛や赤ちゃんの毛髪のように細く軟らかい毛には毛髄質が全くないようです。


毛皮質(もうひしつ)・コルテックス

毛の大部分(約85~90%)はこの毛皮質でこの層によって毛質・強度が決まるようです。繊維状になっており髪の強度を保っています。

また、毛皮質(コルテックス)中には多くのメラニン色素が含まれており、人種による毛の色の差はこの色素の量によって変わります。


毛表皮(もうひょうひ)・キューティクル

毛幹の表面にあたる部分の毛表皮(キューティクル)は、ウロコのように毛先に向かって重なり合い内部を保護しています。

このキューティクルが壊れると内部の毛皮質(コルテックス)に含まれているタンパク質や水分を保持できなくなり毛の光沢や柔軟性を失います、髪がパサパサになったり、切れ毛・枝毛・裂け毛などの原因になります。


私たちが見ている髪の毛は死んだ細胞の毛幹部分。

その髪の毛を美しく見せるためには毛表皮(キューティクル)を壊さないようにすることが重要です。一度壊れると元には戻らないのです。